NBAという華やかな世界に至るまでにコート外で大きな喪失を経験している選手は少なくありません。カワイ・レナードは高校生の頃に父を亡くし、ラッセル・ウエストブルックは高校時代に親友を亡くしました。
ルーキーオブザイヤーをほぼ手中に収めているメンフィス・グリズリーズのジャ・モラント(Ja Morant)もそんな選手の一人です。現地時間3月27日、モラントは亡き従兄弟に語りかけるツイートを投稿しました。
it’s been awhile 😭 we miss you bro .. continue to watch over us 🤍🥺
— Ja Morant (@JaMorant) March 27, 2020
久しぶり。みんな恋しがってるよ。これからも俺たちを見守り続けてくれ
ジャ・モラントの従兄弟であるJOHNNY “TREY” L BEVERLY, IIIさんは2017年10月、オートバイ事故により26歳の若さで死去。モラントにとっては、マレーステイトで大学生活が始まったばかりの時期に突然訪れた悲劇でした。冒頭のツイートが投稿された3月27日は、Treyさんの誕生日に当たります。ツイートに書かれている「#LongLiveTreyForever」というハッシュタグは、慕っていた従兄弟への追悼を意味する言葉です。
モラントのTwitterアカウントのプロフィール欄にもlong live Treyを意味する「#LLT」というハッシュタグを確認することができます。
モラントによると、Treyさんは陽気な人柄で家族の絆を強くしてくれる存在だったとのこと。大学時代にはバスケットボールをプレイしており、ジャにとってロールモデルでもあったようです。モラントはTreyさんから度々、「このままトレーニングを続ければ、いつかお前はNBAヘ行ける」と言われていたとインタビューで明かしています。
モラントは高校卒業時点において大きな注目を集めるプレイヤーではありませんでした。そんな彼に「いつかNBA選手になれる」と言葉をかけてくれた8歳上の従兄弟の存在は大きかったに違いありません。
悲劇的な死から約1年8ヶ月後、ジャ・モラントはNBAドラフト2019で2位指名を受け、従兄弟の言葉通りNBA選手になりました。指名直後のインタビューでも、Treyさんへの感謝の気持ちを示しています。
▼マイクに向かって「long live Trey」と言い残してインタビューを終えるモラント
ジャ・モラントの創造性豊かでアグレッシブなプレイの背後には、自分を鼓舞し続けてくれた亡き従兄弟の存在があったのです。