ダラス・マーベリックスのエースとして活躍するルカ・ドンチッチ。NBAでは1年目に新人王を受賞、2年目にはオールスターのスターターを務め、MVPレースに名前が上がるほどの活躍を見せています。NBAの最年少記録の数々を塗り替えるなど、その勢いはとどまるところを知りません。
そんなドンチッチが、2010-2020年のユーロリーグ(EuroLeague)におけるベストチーム(2010-20 EuroLeague All-Decade team)の1人に選出されたことが発表されました。
👏🏀 ¡Enhorabuena a @luka7doncic, elegido para formar parte del equipo de la década de @EuroLeague!#RMBaloncesto | #HalaMadrid
— Real Madrid Basket (@RMBaloncesto) March 24, 2020
ドンチッチがマブス以前に所属していたチームはスペインの強豪、レアル・マドリード。ドンチッチはレアル在籍期間中にユーロリーグ、スペインの国内リーグ(Liga ACB)で優勝を経験するなど、チーム、個人双方で数々のタイトルを獲得しています。
ルカ・ドンチッチがレアル時代に獲得したユーロリーグのタイトルは下記の通り。
- ユーロリーグ優勝(2018)
- ユーロリーグ MVP(2018)
- ユーロリーグ ファイナル4 MVP(2018)
- オール・ユーロリーグ・ファーストチーム(2018)
- ユーロリーグ ライジングスター(2017、2018)
レアルでのラストシーズンとなった2017-2018年に多くのタイトルを獲得しました。
ユーロリーグでのスタッツは下記の表の通りです(※横にスクロールできます)
シーズン | チーム | 試合 | 先発 | 時間 | FG% | 3p% | FT% | リバウンド | アシスト | スティール | ブロック | 得点 | PIR |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2015-16 | レアル・マドリード | 12 | 0 | 11.1 | 0.407 | 0.313 | 0.882 | 2.3 | 2.0 | 0.2 | 0.3 | 3.5 | 6.2 |
2016-17 | レアル・マドリード | 35 | 15 | 19.9 | 0.433 | 0.371 | 0.844 | 4.5 | 4.2 | 0.9 | 0.2 | 7.8 | 13.3 |
2017-18 | レアル・マドリード | 33 | 17 | 25.9 | 0.451 | 0.329 | 0.816 | 4.8 | 4.3 | 1.1 | 0.3 | 16.0 | 21.5 |
Career | 80 | 32 | 21.0 | 0.443 | 0.344 | 0.828 | 4.3 | 3.9 | 0.9 | 0.3 | 10.6 | 15.6 |
MVPシーズンとなった2017-2018シーズン、ドンチッチは33試合の出場で平均16.0得点(リーグ4位)、4.3アシスト(13位)、4.8リバウンド(28位)、1.1スティール(11位)、PIR21.5(1位)を記録。ギリシャの強豪オリンピアコスBC戦ではユーロリーグでの自己最高となる33得点を挙げる活躍を見せました。
上記のスタッツで注目したいのは、PIR(Performance Index Rating)21.5という数字です。PIRとは、その選手の総合的なパフォーマンスを表す指標としてユーロリーグ他、主にヨーロッパのリーグで用いられています。
PIRの計算式は下記の通り。
PIRはMVP選定の際にも参照されるスタッツとのこと。ドンチッチは2017-2018シーズンにおいて全選手中1位という10代選手としては信じがたい結果を残しています。
また、ドンチッチが残した「PIR 21.5」以上の数字を挙げ、かつユーロリーグチャンピオンに輝いた選手は過去にAnthony ParkerとDejan Bodirogaの2人のみであり、両者は28歳以上でした。ドンチッチは10代にしてユーロリーグの歴史に名を残すほどのスタッツを残したということになります。
ユーロリーグは各国リーグの優勝チームなど、強豪のみが出場を許されるヨーロッパ最高峰の大会。分かりやすく言えば、サッカーのUEFAチャンピオンズリーグと似たような位置付けです。そのような欧州トップレベルのリーグで当時16〜19歳だった選手がわずか3年のみのプレイにもかかわらず、2010-20シーズンのベストチームの1人に選ばれたというのは驚くべきことと言えるでしょう。
NBA入り後のドンチッチしか知らない私のような人間からしてみたら、ドンチッチを彗星の如く現れた天才のように感じますが、レアル時代から観てきた人々からすると「彼はすでにとてつもなかった」といった印象なのかもしれません。
なお、ユーロリーグの2010–20 All-Decade Teamにはドンチッチの他にKyle Hines(アメリカ)、フアン・カルロス・ナバーロ※(スペイン)ら長らくヨーロッパを舞台に活躍してきた選手が選出されています。
※スペインを代表するポイントガードであるナバーロは、1シーズンのみNBAのメンフィス・グリズリーズでプレイしています。
▼ルカ・ドンチッチのユーロリーグでのハイライト動画