現地時間2月24日、ステイプルズ・センターでコービー・ブライアントと娘のジアナさんの追悼式典が行われました。
生前のコービーと関係の深かった人々がスピーチする中、マイケル・ジョーダンが登壇。涙を流しながらコービーとの「兄弟」のような関係について語りました。
スピーチの中で特に印象に残った箇所を紹介します。
「A CELEBRATION OF LIFE KOBE & GIANNA BRYANT 2-24-20」
コービーの最高の兄になろうとしたジョーダン
冒頭から涙を流していたジョーダン、バスケットボールプレイヤーとして、父としてのコービーを称える言葉からスピーチを始め、彼とコービーとの知られざる特別な関係について語りました。
ジョーダン曰く、彼とコービーはとても親密な関係であり、メールのやり取りをすることも頻繁にあったとのこと。ときには午前3時にメッセージしてきたそうです。
内容は、ポストアップムーブについて、フットワークについて、(複雑なことで知られる)トライアングル・オフェンスについて(ここで笑いが起こりました)。
最初の頃は鬱陶しい(aggravation)と感じたようですが、次第にコービーの持つ情熱(passion)に感銘を受けていったと語っています。そして、ジョーダンはコービーの最高の兄(Big Brother)になりたいと思うようになったと。この発言の直後、感極まったジョーダンはしばし沈黙。場内から大きな拍手と歓声が上がります。
自分の興味のあること、知りたいと思うことに関しては徹底的にリサーチし、詳しい人間を見つけたら質問攻めにする「質問魔」であることで知られるコービーですが、ジョーダンに対しても質問攻めにしていました。両者が現役の頃、試合中にもかかわらずコービーがジョーダンに技術的な質問をしたというエピソードは有名で、その姿はカメラにも捉えられています。
コービーが引退後もそのような関係は変わらず、数ヶ月前には娘ジアナへのコーチングについて質問してきたとのこと。
引退後も2人は兄弟のように親密な関係であったのですね。
夫であり親であるコービーの姿はジョーダンにも感銘を与えていた
ジョーダンはコービーの家族に対する振る舞いにも感銘を受けていたと語りました。
自分にも30歳になる娘がいて孫が生まれたばかりであること、6歳の双子の娘がいることに触れ、本当に愛する人たちにどう接するべきか教わったと。
そして、これらは私たちがこれからもコービーから学び続けることだとも付け加えています。
今、この瞬間を大切に
ジョーダンはコービーの死に直面し、大切な人と過ごす時間の尊さについて考えたようです。
家族への愛情に溢れていたコービーの姿を知る人の多くも、同じように感じたのではないでしょうか。
「Crying Jordan」に言及し会場が爆笑
非常に感動的なジョーダンのスピーチでしたが、ところどころ会場に笑いが起こる場面もありました。
中でも一番盛り上がったのが、とあるインターネット・ミーム(Internet meme)についてジョーダンが言及した場面。
インターネット・ミームとは、インターネット上で人伝いに広がっていく行動やコンセプトのことで、最近では写真やGif画像としてSNS上で拡散される傾向にあります。
ジョーダンが言及しているのは、SNSやYoutube動画のサムネイルなどでよく見かけるCrying Jordanと呼ばれるミームです。アスリートや有名人などが不幸に見舞われた話題を扱う投稿や動画に、ジョーダンが殿堂入りスピーチの際に涙を流した瞬間の写真が貼り付けられます。
NBAの話題を追いかけている人は分かると思いますが、めちゃくちゃよく見る写真です。
▼当該場面のジョーダンの言葉
I’ll have to look at another crying meme for the next-
「また自分が泣いている写真を見なきゃいけなくなる」
I told my wife I wasn’t going to do this because I didn’t want to see that for the next three or four years.
「妻に、やりたくない(スピーチしたくない)と言ったんだ。今後3、4年の間、あれを見なきゃいけないのはごめんだからね」
これには、会場にいたステフィン・カリーも爆笑していましたね。
Please rest in peace, little bro
ジョーダンは、コービーが亡くなった瞬間、「自分の一部を失った」と語りました。会場にいる人や世界中に人々も同じような感覚でしょうと。
そして最後に、次の言葉でスピーチを締めます。
Please rest in peace little bro.
「安らかに眠れ、弟よ」
私も娘がいますが、コービーからは夫として、親としてどのように振る舞うべきかということを多く学びました。未だにコービーがいなくなってしまったという現実を受け入れられませんが、これからも多くのことを彼から学んでいきたいと思っています。
コービー・ブライアント / 経歴 / スタッツ / 年俸総額 マイケル・ジョーダン/ 経歴 / スタッツ / 年俸総額 マイケル・ジョーダンのドキュメンタリー「ラストダンス」を楽しむための予備知識