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レブロン・ジェームズが使用したバッシュ「EQUALITY」が博物館に展示される

EQUALITY

レブロン・ジェームズが試合で使用したナイキのバスケットシューズ「LeBron 15 EQUALITY」がワシントンDCにある国立アフリカ系米国人歴史文化博物館(Smithsonian’s National Museum of African American History and Culture)に展示された。

社会的・政治的発言を恐れないキング・レブロン

言わずとしれたNBAのスーパースターでG・O・A・T(史上最高の選手)として名前が挙がるほどの存在であるキング・ジェームズだが、近年では社会的な発言でも注目を集めることが多くなってきている。

2016年の大統領選挙では、地元オハイオ州で行われた民主党のヒラリー・クリントンの応援演説に立ち、地元の英雄レブロンの存在の大きさから保守系住民が多く共和党が強いと言われるオハイオ州の人々の投票行動にも影響を及ぼす可能性も指摘された。

結局、選挙の行方を占うと言われ注目選挙区であったオハイオの票はドナルド・トランプが獲得し、レブロンが支持を表明していたヒラリーは大統領選挙で敗れることとなったが、その後もレブロンはマイノリティの側に立ち、ステフィン・カリーやグレッグ・ポポビッチ、スティーブ・カーら他のNBA選手やコーチらと共に一貫してトランプの人種差別的な発言やLGBTQの人々への抑圧的な政策に対して「NO」と言い続けている。

レブロンが使用したバッシュ「EQUALITY」

そんなレブロンは2017年12月、自身のシグネチャーラインであるLeBron 15のPE、「EQUALITY」を着用し注目を集めた。

左右が黒と白の異なるカラーで彩色されたシューズのかかと部分には「EQUALITY」(平等)の文字が刺繍されている。

トランプ大統領誕生以降、アメリカ国内での人種間の分断が激しさを増している中、レブロンは自身が試合で履くシューズに「人種に関係なくあらゆる人間は平等であるべきだ」というメッセージを込めたのだ。

国立アフリカ系米国人歴史文化博物館とは?

今回、このシューズがアフリカ系アメリカ人の苦難や忍耐、勝利の歴史を今に伝えてくれるミュージアム「国立アフリカ系米国人歴史文化博物館」に展示されることとなった。

2016年9月24日、ワシントンDCにオープンしたこのミュージアムには、ジャッキー・ロビンソンやモハメド・アリなどのアフリカ系アメリカ人を代表するスポーツ選手を紹介するコーナーがある。

モハメド・アリに多大な影響を受けていると語るレブロンは、当博物館でアリをフィーチャーした展覧会が開催された際、慈善団体、ビジネスパートナーらと合わせて合計250万ドル(約2億7千万円)を寄付したこともある(※他にマイケル・ジョーダンマジック・ジョンソンもアリの展覧会に寄付している)。

レブロン「EQUALITY」の歴史的価値

国立アフリカ系米国人歴史文化博物館がレブロンの「EQUALITY」を展示した理由はどういったところにあるのだろうか。

USA TODAYが博物館のスポーツキュレーターであるDamion Thomas氏の言葉を紹介している。

レブロンが履いたこのシューズの歴史的意義と、社会正義のための戦いに貢献してきた彼のこれまでの功績を考えれば、博物館のコレクションの一つとして「EQUALITY」を展示することは理にかなっていました。

アフリカ系アメリカ人の歴史は人種差別との戦いの歴史であり、この問題は未だ解決していない。

スポーツの枠を超えた影響力を持ち始めているレブロンの「EQUALITY」に歴史的意義を見出した博物館の判断に異論を唱える者は少ないだろう。

また、Thomas氏は次のようにも語っている。

私たちが目指しているのは、ただ歴史的に重要な価値や背景を持つ品々を集めることだけではありません。社会が抱える今日的課題やこの国が取り組まなければならない問題に人々の関心を引きつけてくれるような展示物を求めているのです。

レブロン・ジェームズという今を生きる偉大なアスリートが、分断の深まるアメリカ社会に投げかけたメッセージは、単に歴史的な意義があるだけでなく、今まさに解決しなければならない問題に人々の目を向ける力も持っている。

衰えを見せるどころかコート上での存在感をさらに増しつつあるレブロン。新天地として選んだLAから、これまでと変わらぬ力強いメッセージを送ってくれるに違いない。

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