八村塁の経歴・スタッツ・プレイスタイル|中学時代からNBAまで

NBAドラフト2019にて1巡目全体9位でワシントン・ウィザーズに指名されました八村塁。中学からバスケを始め、明成高校時代にはウィンターカップで3連覇を果たすなど多くのタイトルを獲得しました。

高校卒業後はNCAA1部の強豪ゴンザガ大学に入学し、ジュニア(大学三年)シーズンからはチームのエースとして活躍。NBAドラフト2019にアーリーエントリーし、
1巡目全体9位でワシントン・ウィザーズから指名を受けました。田臥勇太、渡邊雄太に続いて、日本出身選手3人目のNBA入りです。   

以下、八村塁の経歴、スタッツ、プレイスタイルをまとめました。

八村塁の生年月日・身長・ウィングスパン

八村塁の基本情報は下記の通りです。2mを超える長身もさることながら217cmのウィングスパン、ナチュラルに100キロを超える体躯はNBAの中でも遜色ありません。

  • 生年月日:1998年2月8日
  • 出身:富山県
  • 身長:204cm (6ft 8.5in)
  • 体重:106kg (234 lb)
  • ウィングスパン:217cm (7ft 1.5in)
  • ポジション:SF/PF

参照:2018 Nike Academy college roster with measurements

※身長、体重は測定時期や掲載サイトによって若干異なります。

年表

八村塁の経歴です。年表にまとめました。

  • 1998年
    富山県に生まれる
    父親はベナン出身で母親は日本人。
  • 2004年〜
    小学校時代
    6年間野球を続ける。陸上で全国大会に出場。
  • 2010年
    奥田中に入学
    2010年4月、八村は富山市立奥田中学校に入学。友人に誘われバスケに入部。
  • 2012年
    全中で準優勝
    第42回全国中学校バス ケットボール大会で準優勝。
  • 2013年〜
    明成高校
    ウィンターカップで3連覇を果たす。高校3年時にはインターハイで優勝。
  • 2016年〜
    ゴンザガ大学
    スカラシップを獲得しNCAA D1のゴンザガ大学に入学。ジュニアシーズンからはエースとして活躍。
  • 2019年6月20日
    ドラフト全体9位指名
    NBAドラフト2019にて、1巡目全体9位でワシントン・ウィザーズに指名される。
  • 2019年10月
    NBA開幕
    最初のNBAシーズンの開幕。デビュー戦からダブルダブルの活躍を見せ、その後もスターターとして活躍中。

八村塁の経歴詳細

八村塁の経歴をさらに詳しく見ていきます。

1998年|富山県に生まれる

八村塁は1998年2月8日、富山県に生まれました。父親はベナン出身で母親は日本の方です。

小学校時代|6年間野球を続け、陸上でも才能を発揮

小学校時代の八村塁はバスケットではなく野球に熱中していました。6年間続けた野球では豪速球を投げるピッチャーだったそうです。

誰も八村のボールをキャッチすることができず、野球からバスケに変えたと地元紙のインタビューで語っています。

参照:The SPOKESMAN-REVIEW

陸上でも非凡な才能を発揮した八村塁。小学5年時に出場した富山県大会では100メートル走で13秒81を記録し優勝。全国大会に出場しました。

参照:級友の誘いでその気に バスケットボール・八村塁 日本経済新聞

中学時代|全国大会で準優勝

2010年4月、八村は富山市立奥田中学校に入学。小学校時代、野球と陸上に取り組んでいた八村でしたが、友人の勧めでバスケに入部。

顧問の坂本コーチが5月の連休を終えても部活の決まっていなかった八村を「とにかく連れてきて」と同じ小学校の子たちに頼んだとのこと。

2学年上にはのちに日本代表で共にプレイすることになる馬場雄大がいましたが、公式戦で共にプレイすることはありませんでした。

参照:富山の恩師、坂本コーチが語る馬場雄大と八村塁

バスケ部入部後、八村はスラムダンクのビデオを借りて弟(八村阿蓮)とともに観ていたと原作者・井上雄彦との対談で語っています。

参照:スラムダンクを読んだことのない八村塁、井上雄彦から漫画を送られる。

奥田中学入学当時は素人同然だった八村塁ですが、3年生のときに出場した全国大会では毎試合20得点以上を記録する活躍を見せ、チームを準優勝に導きます。

決勝で西福岡と対戦した奥田中は八村が20得点するも55対72で敗戦。対戦相手には、後に3×3の日本代表に選ばれる松脇圭志(土浦日大高 – 日本大学)がいました(決勝では36得点の活躍)。

八村はこの大会でベスト5に選出されています。

参照:第42回全国中学校バス ケットボール大会

明成高校|ウィンターカップで3連覇

明成高校では1年時からスターターとして活躍。ウィンターカップ2013の決勝戦では32得点を挙げて優勝に貢献しました(大会得点ランキングで2位)。

2年次、3年次にもウィンターカップで優勝し、3連覇を達成。

高校3年次にはインターハイで明成高校に初優勝をもたらしています。

高校時代は他校の留学生センターをも圧倒する存在感で、もはや国内に敵なしの状態でした。

U-17世界選手権

高校2年の時に参加したU-17世界選手権では、チームが16チーム中14位という結果に終わる一方で八村は1試合平均22.6得点を記録し大会得点王を獲得。

大会で優勝したアメリカとの試合では38-122で惨敗したものの、八村は25得点を記録し、同世代では世界トップレベルでも通用することを証明して見せました。ここでの活躍が米大学バスケのスカウトの目に留まり、後のゴンザガ大学進学へとつながります。

ジョーダン・ブランド・クラシックに選出

2015年4月、過去にレブロン・ジェームズやクリス・ポール、ケビン・デュラント、カイリー・アービンなども参加したジョーダン・ブランド・クラシックに日本人として初めて選出されます。

世界選抜としてプレイした八村は18分間の出場で9得点、5リバウンド、1ブロックを記録。

参照:八村塁がジョーダンブランドクラシックに出場

リクルート|ゴンザガ大学への進学を決意

U-17世界選手権での活躍、ジョーダン・ブランド・クラシックでのプレイを高く評価された八村塁は、アリゾナ大学、ルイジアナ州立大学(LSU)、アイオワ州立大学など、NCAA D1の複数の大学から勧誘を受けます。

実際に見学に行ったアリゾナ大学を気に入った八村だったが、同じく見学に行ったゴンザガ大学の選手、スタッフ、海外出身プレイヤーの活躍という観点から最終的にゴンザガ大への進学を決断しました。

参照:The SPOKESMAN-REVIEW

▼大学リクルート時の各メディアの評価は下記の通り。

※アメリカの高校でプレイしていない八村の情報は少なく、精確にその実力を評価できていないものと推察されます。

Recruiting star ratings
Scout.com
(4.0)
Rivals.com
(3.0)
247Sports.com
(3.0)

参照:Rui Hachimura – Wikipedia

大学1年(フレッシュマンシーズン)

ゴンザガ大1年目の八村塁は、アメリカの大学生活への適応や英語でのコミュニケーション能力を考慮してレッドシャツ(※)にするという選択肢も考えられましたが、最終的には本人自ら選手登録することを選びました。

※練習には参加できるが選手登録はされない選手のこと。

やっぱり1年間ずっとベンチに座っているよりは、試合に出ないかもしれないですけど、気持ちの準備だけでもできたら……。1年間、気持ちの準備をせずに、試合の感覚を忘れてしまうのは嫌なので。(中略)

すごく大変かもしれないけれど、試合に出られなくても、気持ちの準備をできるだけでも、それだったらレッドシャツにならないほうがいいなと思って、こっちを選びました。

参照:NCAAデビューを果たした八村塁、独占インタビュー

フレッシュマンシーズンでの八村は僅かな出場時間しか与えられなかったものの、豪快なダンクやブロックを披露するなど随所に潜在能力の高さを伺わせるプレイを見せました。

ゴンザガ大はNCAAトーナメントで勝ち進み、同大史上最高成績となる準優勝でシーズンを終えます。八村はNCAAトーナメント準々決勝ゼイビア大戦に出場し、3ptシュートを決めました。

大学1年目は1試合平均4.6分間の出場で2.6得点、1.4リバウンドのスタッツを記録。

U-19世界選手権|日本を過去最高のトップ10に導く

大学のフレッシュマンシーズンを終えた八村塁は、オフシーズンに当たる2017年7月、日本代表のメンバーとしてU-19世界選手権に出場。

チームへの合流が遅れたものの大黒柱として日本代表の躍進を支え、過去最高成績となるトップ10へと導きます。

個人スタッツでも平均20.6得点(大会2位※)を挙げるなど、U-17世界選手権に続き、同世代では改めて世界トップクラスの実力があることを示しました。

※大会得点王はその後デューク大に進み、NBAドラフト2019においてニューヨーク・ニックスから全体3位指名を受けたRJバレット(カナダ)。

FIBA U-19世界選手権での八村塁の成績は以下の通りです。

  • 20.6得点(大会2位)
  • 11.0リバウンド(3位)
  • 1.4ブロック(5位タイ)
  • FG:48.0%(10位)
  • FT:75.5%(6位)

参照:FIBA U-19 WORLD CUP | PLAYERS STATISTICS

大学2年(ソフォモアシーズン)

大学2年になった八村塁はチームでより重要な役割を任されるようになります。

主にシックススマンとしてゲームに出場し、平均20.6分の出場で11.6得点、4.7リバウンドのスタッツを記録。

NCAAトーナメント2回戦のオハイオ州立大戦ではベンチからの出場ながら25得点、4ブロックの活躍でチームを勝利に導きました。

続く3回戦のフロリダ州立大戦では、キリアン・ティリーの怪我によりスターターとして起用され16得点、9リバウンド、2ブロックを記録。しかし要所でブロックされるなど相手の高さに苦戦し、チームは60-75で敗れ2年連続のエリート8(ベスト8)進出はなりませんでした。

大学3年(ジュニアシーズン)

大学3年のシーズンでは、エースとしてチームを牽引。2018年11月に行われたマウイ・インビテーショナルでは、ザイオン・ウィリアムソン(ドラフト全体1位)、RJ・バレット(ドラフト全体3位)、キャメロン・レディッシュ(ドラフト全体10位)擁するデューク大学を撃破。大会MVPに選ばれました。

優勝候補の一角として期待されたNCAAトーナメントでは、Elite8(ベスト8)でテキサステック大に敗戦。

2018年4月16日にNBAドラフトへのアーリーエントリーを表明しました。

NBA1年目(ワシントン・ウィザーズ)

NBAドラフト2019で1巡目全体9位でワシントン・ウィザーズに指名を受けました。

エースのブラッドリー・ビールを中心に、若手主体のチーム編成の中、開幕からダブル・ダブルを記録するなどスターターとして活躍。粒揃いのルーキーの中でもトップレベルのスタッツを残しています。

八村塁のスタッツ

ゴンザガ大学時代のスタッツ

八村塁のゴンザガ大でのスタッツは下記の通りです。

Year Team GP GS MPG FG% 3p% FT% RPG APG SPG BPG PPG
16-17 ゴンザガ大 28 0 4.6 .528 .286 .542 1.4 .1 .2 .1 2.6
17-18 ゴンザガ大 37 2 20.7 .568 .192 .795 4.7 .6 .5 .5 11.6
18-19 ゴンザガ大 37 37 30.2 .591 .417 .739 6.5 1.5 .9 .7 19.7

※GP(出場試合)GS(先発)MPG(平均出場時間)FG%(フィールドゴール成功率)3p%(3ポイント成功率)FT%(フリースロー成功率)RPG(平均リバウンド数)APG(平均アシスト数)SPG(平均スティール数)BPG(平均ブロック数)PPG(平均得点)

八村塁のプレイスタイル

204センチの身長と217センチのウィングスパン、ナチュラルに100キロを超える体格を誇り、走力にも優れます。

大学時代、フィジカルの強さはNCAAディビジョン1でも上位のレベルにあり、本人も当時のインタビューの中でフィジカル的には全然やれるといった趣旨の発言をしていました。NBA入り後はゴール下でブロックされる場面が増えるなど適応に苦労していますが、フィジカル面で特別劣っているようには見受けられません。レブロン・ジェームズとのマッチアップでも体で押しこんでからシュートを決める場面が見られました。

日本時代から培ってきたリバウンドやブロックなどインサイドでの身体を張ったプレイはもちろん、シュートセンスも備えており特にミドルレンジからのジャンパーが大きな武器となっています。

ドリブル技術も年々向上し、リバウンドからコースト・トゥ・コーストで相手ゴールまで迫るプレイを見せることも。

最大の課題は3ptシュートです。NBA入り後は、カレッジに比べて3ptラインが遠くなっていることもあり、苦労している様子。ただ、シュートタッチは良いものを持っているので、年々向上していくことが予想されます。

ポジションは3番から5番までこなす力があり、スモールラインナップ全盛の現代NBAにもアジャストできるでしょう。

また、U-19世界選手権や日本代表の試合で見せたクラッチタイムにおける勝負強さも特筆すべきものがあります。さらにチーム内での存在感が増してくれば、いずれは勝敗を分けるショットを任されるようになるかもしれません。

今後も八村塁の活躍に注目していきます。

【随時更新予定】

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