八村塁の経歴・スタッツ・プレイスタイル|計り知れない可能性

NBAドラフト2019での上位指名が期待される八村塁。中学からバスケを始め、明成高校時代にはウィンターカップで3連覇を果たすなど多くのタイトルを獲得。

高校卒業後はNCAA1部の強豪ゴンザガ大学に入学し、ジュニア(大学三年)シーズンからはチームのエースとして活躍。NBA入りはほぼ確実視され、目下のところドラフトで何位指名されるかが盛んに議論されている。

※2019年6月20日(現地時間)に行われたNBAドラフト2019において、1巡目全体9位でワシントン・ウィザーズに指名されました。

田臥勇太、渡邊雄太に続く日本出身者3人目のNBA選手となるだろう八村塁の経歴、スタッツ、プレイスタイル、ハイライト動画をまとめた。

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八村塁の生年月日・身長・ウィングスパン

八村塁の基本情報は下記の通り。2mを超える長身もさることながら217cmのウィングスパン、ナチュラルに100キロを超える体躯も特筆すべきだろう。

  • 生年月日:1998年2月8日
  • 出身:富山県
  • 身長:204cm (6ft 8.5in)
  • 体重:106kg (234 lb)
  • ウィングスパン:217cm (7ft 1.5in)
  • ポジション:SF/PF

参照:2018 Nike Academy college roster with measurements

年表

八村塁の経歴をまずは年表にまとめてみた。

  • 1998年
    富山県に生まれる
    父親はベナン出身で母親は日本人。
  • 2004年〜
    小学校時代
    6年間野球を続ける。陸上で全国大会に出場。
  • 2010年
    奥田中に入学
    2010年4月、八村は富山市立奥田中学校に入学。友人に誘われバスケに入部。
  • 2012年
    全中で準優勝
    第42回全国中学校バス ケットボール大会で準優勝。
  • 2013年〜
    明成高校
    ウィンターカップで3連覇を果たす。高校3年時にはインターハイで優勝。
  • 2016年〜
    ゴンザガ大学
    スカラシップを獲得しNCAA D1のゴンザガ大学に入学。ジュニアシーズンからはエースとして活躍。
  • 2019年6月20日
    ドラフト全体9位指名
    NBAドラフト2019にて、1巡目全体9位でワシントン・ウィザーズに指名される。

八村塁の経歴詳細

八村塁の経歴をさらに詳しく見ていこう。

1998年|富山県に生まれる

八村塁は1998年2月8日、富山県に生まれた。父親はベナン出身で母親は日本人。

小学校時代|6年間野球を続け、陸上でも才能を発揮

小学校時代の八村塁はバスケットではなく野球に熱中していた。6年間続けた野球では豪速球を投げるピッチャーだった。

誰も八村のボールをキャッチすることができず、野球からバスケに変えたと地元紙のインタビューで語っている。

参照:The SPOKESMAN-REVIEW

陸上でも非凡な才能を発揮した八村塁。小学5年時に出場した富山県大会では100メートル走で13秒81を記録し優勝。全国大会に出場した。

参照:級友の誘いでその気に バスケットボール・八村塁 日本経済新聞

中学時代|全国大会で準優勝

2010年4月、八村は富山市立奥田中学校に入学。小学校時代、野球と陸上に取り組んでいた八村だったが、友人の勧めでバスケに入部。

顧問の坂本コーチが5月の連休を終えても部活の決まっていなかった八村を「とにかく連れてきて」と同じ小学校の子たちに頼んだとのこと。

2学年上にはのちに日本代表で共にプレイすることになる馬場雄大がいたが、公式戦で共にプレイすることはなかった。

参照:富山の恩師、坂本コーチが語る馬場雄大と八村塁

▼中学時代の八村塁と馬場雄大。

バスケ部入部後、八村はスラムダンクのビデオを借りて弟(八村阿蓮)とともに観ていたと原作者・井上雄彦との対談で語っている。

参照:スラムダンクを読んだことのない八村塁、井上雄彦から漫画を送られる。

奥田中学入学当時は素人同然だった八村塁だが、3年生のときに出場した全国大会では毎試合20得点以上を記録する活躍を見せ、チームを準優勝に導く。

決勝で西福岡と対戦した奥田中は八村が20得点するも55対72で敗戦。対戦相手には、後に3×3の日本代表に選ばれる松脇圭志(土浦日大高 – 日本大学)がいた(決勝では36得点の活躍)。

八村はこの大会でベスト5に選出された。

参照:第42回全国中学校バス ケットボール大会

明成高校|ウィンターカップで3連覇

明成高校では1年時からスターターとして活躍。ウィンターカップ2013の決勝戦では32得点を挙げて優勝に貢献した(大会得点ランキングで2位)。

2年次、3年次にもウィンターカップで優勝し、3連覇を達成。

高校3年次にはインターハイで明成高校に初優勝をもたらしている。

高校時代は他校の留学生センターをも圧倒する存在感でもはや国内に敵なしの状態だった。

▼八村塁 高校時代のハイライト動画

U-17世界選手権

高校2年の時に参加したU-17世界選手権では、チームが16チーム中14位という結果に終わる一方で八村は1試合平均22.6得点を記録し大会得点王を獲得。

大会で優勝したアメリカとの試合では38-122で惨敗したものの八村は25得点を記録し、同世代では世界トップレベルでも通用することを証明して見せた。

▼U-17世界選手権(2014)日本vsアメリカ

ジョーダン・ブランド・クラシックに選出

2015年4月、過去にレブロン・ジェームズやクリス・ポール、ケビン・デュラント、カイリー・アービンなども参加したジョーダン・ブランド・クラシックに日本人として初めて選出される。

世界選抜としてプレイした八村は18分間の出場で9得点、5リバウンド、1ブロックを記録。

参照:八村塁がジョーダンブランドクラシックに出場

リクルート|ゴンザガ大学への進学を決意

U-17世界選手権での活躍、ジョーダン・ブランド・クラシックでのプレイを高く評価された八村塁は、アリゾナ大学、ルイジアナ州立大学(LSU)、アイオワ州立大学など、NCAA D1の複数の大学から勧誘を受ける。

実際に見学に行ったアリゾナ大学を気に入った八村だったが、同じく見学に行ったゴンザガ大学の選手、スタッフ、海外出身プレイヤーの活躍という観点から最終的にゴンザガ大への進学を決断した。

参照:The SPOKESMAN-REVIEW

▼大学リクルート時の各メディアの評価は下記の通り。

※アメリカの高校でプレイしていない八村の情報は少なく、精確にその実力を評価できてはいないものと推察される。

Recruiting star ratings
Scout.com
(4.0)
Rivals.com
(3.0)
247Sports.com
(3.0)

参照:Rui Hachimura – Wikipedia

大学1年(フレッシュマンシーズン)

ゴンザガ大1年目の八村塁は、アメリカの大学生活への適応や英語でのコミュニケーション能力を考慮してレッドシャツ(※)にするという選択肢も考えられたが、最終的には本人自ら選手登録することを選んだ。

※練習には参加できるが選手登録はされない選手。

やっぱり1年間ずっとベンチに座っているよりは、試合に出ないかもしれないですけど、気持ちの準備だけでもできたら……。1年間、気持ちの準備をせずに、試合の感覚を忘れてしまうのは嫌なので。(中略)

すごく大変かもしれないけれど、試合に出られなくても、気持ちの準備をできるだけでも、それだったらレッドシャツにならないほうがいいなと思って、こっちを選びました。

参照:NCAAデビューを果たした八村塁、独占インタビュー

フレッシュマンシーズンでの八村は僅かな出場時間しか与えられなかったものの、豪快なダンクやブロックを披露するなど随所に潜在能力の高さを伺わせるプレイを見せた。

ゴンザガ大はNCAAトーナメントで勝ち進み、同大史上最高成績となる準優勝でシーズンを終える。八村はNCAAトーナメント準々決勝ゼイビア大戦に出場し、3ptシュートを決めた。

大学一年目は1試合平均4.6分間の出場で2.6得点、1.4リバウンドのスタッツを記録。

▼八村塁 2016-2017シーズンハイライト

U-19世界選手権|日本を過去最高のトップ10に導く

大学のフレッシュマンシーズンを終えた八村塁は、オフシーズンに当たる2017年7月、日本代表のメンバーとしてU-19世界選手権に出場。

チームへの合流が遅れたものの大黒柱として日本代表の躍進を支え、過去最高成績となるトップ10へと導く。

個人スタッツでも平均20.6得点(大会2位※)を挙げるなど、同世代では世界トップクラスの実力があることを示した。

※大会得点王はその後デューク大に進むRJバレット(カナダ)

FIBA U-19世界選手権での八村塁の成績は以下の通り。

  • 20.6得点(大会2位)
  • 11.0リバウンド(3位)
  • 1.4ブロック(5位タイ)
  • FG:48.0%(10位)
  • FT:75.5%(6位)

参照:FIBA U-19 WORLD CUP | PLAYERS STATISTICS

▼八村塁 U-19世界選手権のハイライト動画

大学2年(ソフォモアシーズン)

大学2年になった八村塁はチームでより重要な役割を任されるようになる。

主にシックススマンとしてゲームに出場し、平均20.6分の出場で11.6得点、4.7リバウンドのスタッツを記録。

NCAAトーナメント2回戦のオハイオ州立大戦ではベンチからの出場ながら25得点、4ブロックの活躍でチームを勝利に導いた。

続く3回戦のフロリダ州立大戦では、キリアン・ティリーの怪我によりスターターとして起用され16得点、9リバウンド、2ブロックを記録。しかし要所でブロックされるなど相手の高さに苦戦し、チームは60-75で敗れ2年連続のエリート8(ベスト8)進出はならなかった。

▼八村塁 2017-2018シーズンハイライト

八村塁のスタッツ

八村塁のゴンザガ大でのスタッツは下記の通り。

Year Team GP GS MPG FG% 3p% FT% RPG APG SPG BPG PPG
16-17 ゴンザガ大 28 0 4.6 .528 .286 .542 1.4 .1 .2 .1 2.6
17-18 ゴンザガ大 37 2 20.7 .568 .192 .795 4.7 .6 .5 .5 11.6
18-19 ゴンザガ大 37 37 30.2 .591 .417 .739 6.5 1.5 .9 .7 19.7

※GP(出場試合)GS(先発)MPG(平均出場時間)FG%(フィールドゴール成功率)3p%(3ポイント成功率)FT%(フリースロー成功率)RPG(平均リバウンド数)APG(平均アシスト数)SPG(平均スティール数)BPG(平均ブロック数)PPG(平均得点)

八村塁のプレイスタイル

204センチの身長と217センチのウィングスパン、ナチュラルに100キロを超える体格を誇り、走力にも優れる。

身体能力はNCAA1部の選手の中でも上位のレベルにあり、本人もインタビューの中でフィジカル的には全然やれるといった趣旨の発言をしている。

▼八村塁の身体能力が分かるダンクコンテストの映像。ほぼフリースローラインからの跳躍。

日本時代から培ってきたリバウンドやブロックなどインサイドでの身体を張ったプレイはもちろん、シュートセンスも備えており特にミドルレンジからのジャンパーが大きな武器となっている。

ドリブル技術も年々向上し、リバウンドからコーストトゥコーストで相手ゴールまで迫るプレイを見せることも。

これらに加えて課題とされている3ptシュートがさらに入るようになれば、(希望的観測だが)NBAでもスターターとして活躍できるレベルにまでいけるのではないだろうか。

ポジションは3番から5番までこなす力があり、スモールラインナップ全盛の時代にもアジャストできるだろう。

また、U-19世界選手権や日本代表の試合で見せたクラッチタイムにおける勝負強さも特筆すべきものがある。

計り知れない可能性

八村塁がNBA入りすることは間違いないと思われるが、今後どれだけの選手になるのかは計り知れないものがある。

個人的には、ヒューストン・ロケッツで活躍したヤオ・ミン、ニューヨークの街に旋風を巻き起こし(リンサニティ)その後もNBAで確固たる地位を築いているジェレミー・リンに続く、アジア系選手として歴史に名を残す活躍をしてもらえたら望外の喜びである。

私たちバスケファンがまだ見ぬ景色を八村塁が見せてくれることに期待したい。

八村塁の最新情報・ハイライト・インタビュー動画などが「Rakuten NBA Special」内で随時配信されています。

【随時更新予定】

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